電話勧誘販売とは
とにかくしつこい電話勧誘販売。二次被害・三次被害が多いのも特徴です。電話と郵送でのやりとりになるので、「これって契約は成立しているの?」というお問い合わせも、数多くいただきます(契約成立の有無が問題ではないのですが・・・)。
電話勧誘販売で頻繁に使われる商品あるいは手口
資格講座あるいは資格商法・サムライ商法(サムライは「士」の字)と呼ばれる手口、紳士録、書籍、名簿、掛け軸、健康食品、インターネット接続サービス、電話回線、短歌や俳句の新聞(雑誌)掲載など
その他、投資マンション経営の電話勧誘も有名ですが、この場合はファミレス等に呼び出されての勧誘になりますので、手口としてはアポイントメントセールスです。しかしながら、そもそも宅地建物取引業法の対象になるので、特定商取引法は包括的に適用除外にされています。ご注意下さい。
電話勧誘販売とは
事業者から電話がかかってきて、資格講座などをしつこく勧誘して契約に持ち込むパターンが一般的です。逆に、後述する一定の方法で消費者等に電話をかけさせて勧誘するパターンもあります。
紛らわしいのですが、電話を通じて営業所その他の場所に呼び出されて勧誘を受ける場合は、電話勧誘販売でなく訪問販売に該当します。
電話勧誘販売に該当するかどうかのポイントを箇条書きにまとめると、以下の通りになります。
- 事業者が電話をかけてくること。
- あるいは政令で定める方法で消費者等に電話をかけさせること。
- その電話で勧誘すること。
- その勧誘により、消費者等から申込や契約を郵送などで受けて取引すること。
以下に、もう少し詳しく申し述べます。
業者が電話をかけてくること
業者の側から購入者等に電話をかけてくるパターンが、電話勧誘販売の基本ケースです。これには、録音音声や人口音声によるものも含まれます。
一定の方法で消費者等に電話をかけさせること
政令で定められている一定の方法とは、次の二通りです。趣旨は、訪問販売の業者が消費者等を電話で呼び出す場合(アポイントメントセールス)と同じです。
勧誘目的を告げずに電話をかけるよう要請する
電話や郵便等、ファックス、メールなどの通信手段を使ったり、ビラやパンフレットを配布して、「販売目的を告げずに」消費者等に電話をかけることを要請する方法です。事業者が欺もう的な方法で電話をかけさせ、その電話の中で勧誘行為を行うケースを規定しています。
販売目的を告げない例は、たとえば「至急下記へ電話ください。○○○-○○○○」等と記載されたハガキを配布するケースです。または「海外旅行に安くいける会員制のクラブです。興味のある人は○○番へお電話ください。」と告げて、電話をかけてきた相手に実際には英会話の教材の購入を勧誘するケースのように、何らかの商品を販売する意図は告げているものの本来販売しようとする商品などについて告げずに電話をかけさせるものも該当します。
他社に比べ著しく有利な条件で契約できる旨を告げる場合
電話や郵便等、ファックス、メールなどの通信手段を使ったり、ビラやパンフレットを配布して、「他者と比べて著しく有利な条件で契約できる旨と告げて」消費者等に電話をかけることを要請する方法です。
有利な条件を提示する例は、たとえば「あなたは抽選に当選されたので非常に安く買えます」などのセールストークを用いて電話をかけさせる場合です。販売意図は明かしているものの、特に誘引効果が強いものを想定しています。内容の真偽は問われません。
なお、新聞や雑誌などで商品広告を見たりして、消費者から自発的に電話をかけた場合は、その電話の中で事業者が勧誘を行ったとしても、電話勧誘販売とはなりません。通信販売に該当します。通信販売は、クーリングオフの適用対象ではありません。
その電話で勧誘すること
「勧誘」とは、「販売業者等が顧客の契約締結の意思の形成に影響を与える行為」のことをいいます。「○○を買いませんか」などと直接購入を勧める場合のほか、その商品を購入した場合の便利さを強調するなど、客観的にみて顧客の購入意思の形成に影響を与えていると考えられる場合は「勧誘」に含まれます。
勧誘の例として、「今度出ました新製品の○○はいかがですか」「一般には手に入らない商品ですが、特別に今回お分けしています」「この商品を購入されるときっとお役に立ちます」などのトーク例を、通達は挙げています。
勧誘により、申込みや契約を郵送などで受けて取引すること
「勧誘により」とは、消費者による申込みや契約締結と、業者による電話勧誘との間に因果関係があることを指します。ですから、勧誘電話の最中に申込みをした場合に限られません。一度電話を切り、後日郵送されてきた申込書に記入して返送したり、消費者等から電話をかけて申し込んだ場合も、電話勧誘に起因するものならば対象となります。
電話勧誘販売は、遠隔地者の間での取引が原則です。郵便等で契約書がやりとりされているのが実態です。
電話勧誘販売の規制
電話勧誘販売業者は、次の法規制を守らなければなりません。
- 氏名等の明示義務~業者は、勧誘に先立ち、会社名、勧誘者の氏名、勧誘目的であること、商品等について明らかにしなければなりません。
- 意思確認~業者には、相手に勧誘を受ける意思があるかどうか確認するよう努力義務が課せられています。
- 再勧誘の禁止~契約を締結しない意思を表示した相手に対し、それ以上勧誘を続けることは禁止されています。
- 契約の際、業者には、法令の記載事項を満たした適法な書面(契約書など)を交付する義務があります。
- 重要事項についての虚偽説明(不実告知)は、禁止されます。
- 重要事項について、故意に事実を告げない行為も禁止されます。
- 契約の締結や解除の際、人を威迫し困惑させるのも禁止です。
電話勧誘販売で望まぬ契約をしたなら
クーリングオフ期間内なら、すぐにクーリングオフしましょう。現行法では、これ以上確かな方法は見あたりません。
クーリングオフ期間を過ぎてしまっても、場合によっては解約できるかもしれません。クーリングオフ期間過ぎの記事をご覧下さい。
こんな場合は適用除外
訪問販売による取引形態に該当した場合でも、クーリングオフになじまない、他の法律との二重規制を避ける等の理由で、適用除外になるケースがあります。クーリングオフの例外の記事をご覧下さい。
契約は成立している?
電話勧誘販売のご相談で頻繁なのは、「これって契約は成立しているの?」というご質問です。
- 執拗な電話にうんざりし、つい「ハイハイ」と曖昧な返事をしてしまった。
- 「契約書だけ送るから」と言われ、了承したが、購入意思を伝えたつもりはない。
- 電話がしつこいので、「資料だけ送って」と告げたら、送られてきた資料ではすでに契約したことになっていた。
- 契約書にはまだ何も書いていない。返送していない。
契約が成立する条件
一般に、契約は、「売ります」「買います」という相対する意思表示の合致で成立します。契約書を交わす行為は、契約内容をめぐる後日のトラブルを防ぐ目的で培われた商慣習です。契約の成立自体に法律上の効果をもたらす訳ではありません。
契約成立より重要なこと
ただ、あなたにとって重要なのは、契約が成立したかどうかではありません。業者から適法な書面を受け取っているかどうかです。なぜなら、クーリングオフ期間は、適法な書面を受け取った日から起算が始まるからです。契約した日から始まる訳ではありません。もちろん、契約書を取り交わした日からでもありません。
たいていの場合、電話勧誘販売業者は、配達証明郵便などの制度を使って、契約書があなたの手元に届いたことを記録しています。この日がクーリングオフの起算日となります。あなたが「契約は成立している?」と迷っている間に、クーリングオフ期間はどんどん過ぎていきます。
クーリングオフは、契約が成立していても、成立していない段階(申込みにとどまっている段階)でも、行使できる権利です。
「危ない」と思ったら、迷わず専門家にご相談下さい。
二次勧誘
電話勧誘販売で顕著に見られるのが、二次勧誘、三次勧誘などの被害です。
過去の購入履歴や、いわゆる「カモリスト」にもとづき、異なる名称の業者から次々と勧誘電話がかかってきます。
一度やられたら、業者から「カモだ」と思われるからです。
二次・三次の被害を未然に防止するには、専門家によるクーリングオフが効果的です。なぜなら、
- 専門家を使うという事実そのものに、あなたの強固な意志が見て取れるからです。
- 「この消費者には、もはや嘘が通じない」と業者に思わせる手段として有効だからです。
- 流通しているあなたの記録が、業者によって削除される可能性があるからです。
いずれも業者の対応次第なので、100%とは申しません。ただ、業者は単純に金儲けをしたいだけなので、「この消費者は金にならない」と判断したら、意外にあっさり去っていきます。
ポイントは、どうすれば業者に「金にならない」と思ってもらえるか、という点です。
そのために有効な方法の1つとして、プロの活用があります。当職が手がけた案件で、実際に「勧誘電話が明らかに減少した」というご連絡をいただいております。
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