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学習塾や家庭教師の契約でよくある脱法行為=学習教材トラブル

学習塾や家庭教師の契約をしたつもりが、

単なる学習教材の購入契約だった!?

ということが、よくあります。学習塾・家庭教師の解約をめぐるトラブルは、実はサービスそのものよりも、教材をめぐるものが多いのが現状です。特に、業者が明らかに法の抜け道を狙っていると思われるケースは要注意です。「法の抜け道」とは、大別して2通り~「中途解約逃れ」と「関連商品か推奨品か」です。

脱法行為(1)教材購入契約の形を取ること

【ケース1】教材購入契約は便宜上のものと説明されて・・・

大手進学予備校の系列を名乗る事業者から自宅に電話があり、子どもと一緒に無料進学相談を受けた。すっかりその気にさせられ、高額だったが契約を決意した。

契約書を読むと、どうも##教材の購入契約のような内容##になっているので問い質すと「指導という名目ではお金をもらうことができないので、便宜上、教材の購入契約という形にしている。もちろん授業はあるのでご心配なく」と説明され、その場は納得した。

2週間後、段ボール箱2箱分の教材がまとめて届き、子どもは塾に通い始めた。ところが子どもは間もなく、授業への不満を口にするようになり、2ヶ月を過ぎたころに解約を申し出た。ところが塾は「授業の解約には応じるが、教材の解約には応じられない」と、頑として譲らない。

法律上のポイント

業者によっては、学習塾や家庭教師の契約を装いながら、実は高額学習教材の販売が狙いだったと思われる場合があります。そのような業者は、次のような法の抜け道を突いてきます。

  • 学習塾や家庭教師の契約→中途解約の制度がある
  • 教材の訪問販売、電話勧誘販売→中途解約の制度がない

学習塾・家庭教師を含む6業種(特定継続的役務提供にかかる取引)には、サービスの提供期間が長期にわたる性質上、クーリングオフ期間が過ぎた後でも、契約期間中なら将来にわたって自由に解約できる制度が設けられています(中途解約)。一方、訪問販売や電話勧誘販売などには、中途解約制度はありません。事業者はこの点を突いてくる訳です。

つまり、「授業に使う」「指導に必要」などと言われて契約した教材を、訪問販売や電話勧誘販売の形で契約してしまうのです。そうすることで、中途解約の規制を逃れることができるからです。

業者の狙い

実際問題として、サービスの性質上、ある程度の期間授業を受けた後で解約を決める方の方が、8日間でクーリングオフをされる方よりもずっと多数派です。そのころにはクーリングオフ期間(契約書面受領日から8日間)は過ぎているのが普通ですので、あとは中途解約をできなくしてしまえば、業者にとっては安泰な訳です。

後になって「指導に必要だと言われた」とか「教材購入契約の形を取るのは、あくまで便宜上のことだと言われた」などと訴えても、証拠が残っていません。残っているのは、教材購入の体裁を整えた契約書のみです。しかも、

  • 契約書をよく読むと、授業と教材の契約とで全く別業者だった。さらによく確かめると、勧誘員も別業者だった。
  • 授業と教材の契約書を別個に書かされた。
  • 授業の契約書には、教材など関連商品の記載欄が空欄だった。
  • 教材の契約書には「付属するサービス」の記載欄に「無し」と書かれてあった。

なんてことがよくあります。すべて、業者のしたたかな戦略です。

検討すべき法的対応

書面で解約通知し交渉するのが基本になります。解約書面に記載すべき事項は、ケースバイケースになります。ウソの説明をされたなど、勧誘方法の問題点を具体的に指摘したり、授業の契約と教材の契約との実態的な関連性を指摘したり、そのうえで適切な法的構成を検討することになるでしょう。特定商取引法や消費者契約法の「契約取消し」の主張、あるいは民法の「錯誤(勘違い)による無効」の主張などが、法的には考えられます。

ただ、業者による確信犯的な脱法行為ですので、事業者側の違法な勧誘行為を立証できる材料に乏しく、一般的には法的な取っ掛かりを見つけづらいのが実際のところです。そこをどのように崩していくか、崩せるだけの材料を揃えられるかは、状況次第、がんばり次第ということにならざるを得ません。

脱法行為(2)推奨品

【ケース2】単に推奨した教材は解約できない?

長男の家庭教師を月額1万円のクレジットで契約しました。その際、毎月の授業料の他に、授業に使うからと、3年分の教材(総額80万円)をまとめて購入するよう求められました。長男がせっかくやる気になっているのに「高いからダメ」とも言えず、契約してしまいました。

数ヶ月過ぎたあたりから講師の遅刻や無断欠勤が続くようになり、業者に改善を申し入れたが効果がなく、2年生への進級時に、家庭教師と未使用分の教材(2,3年生分)の解約を申し出ました。ところが業者は「家庭教師の解約には応じるが、教材は単に推奨しただけのものなので、解約には応じられない」と言われ、困っています。

法律上のポイント

「関連商品」と「推奨品」の違いを問われて、正しく答えられる方は、まずいません。しかしこの違いを悪用して、解約を逃れようとする業者が確実に存在します。

  • 関連商品=学習に「必要な」商品→クーリングオフの対象
  • 推奨品=必要ではないがお勧めの品→クーリングオフの対象外

家庭教師や学習塾の契約をクーリングオフすると関連商品も同時にクーリングオフされます。しかしこの規定は、授業に必ずしも必要とされない「推奨品」には及びません。

業者の狙い

業者が勧誘の実態として「授業で使う」「指導に必要」などと言いながら、契約書には「推奨品」として記載しておくのです。仮に家庭教師や学習塾の契約をクーリングオフされても、「この商品は推奨品だからクーリングオフはできない」と言い逃れるためです。授業はおまけで、本当の狙いは学習教材の販売にあるケースもあります。脱法行為としては、比較的古典的です。

関連商品は、政令で指定されています(教科書や参考書などの書籍類、カセットやビデオテープ、DVDといった視聴覚教材などが含まれます)。

検討すべき法的対応

関連商品か推奨品かは、実態から判断されます。契約書の記述で決まる訳ではありません。たとえば「推奨品」を中心に授業が進められていたなどの実態があるなら、契約書の記載はどうあれ、それは関連商品であると判断されます。ただ、いざ裁判になったときに、契約書の記載は重要な証拠となります。それを崩せるだけの証拠が集められるかどうかが、大きなポイントです。

関連商品を使ったり開封したりした場合

仮に関連商品を使ってしまったとしても、それが通常の使用にとどまるなら、クーリングオフができます。たとえば参考書に書き込みをしてしまったとか、問題集に回答を直接書き込んだとか、ビデオやDVDを開封して視聴した場合でも、期間内であればクーリングオフできます。以上はあくまで一般論です。クーリングオフの可能性は、個別の事例に応じて判断されることになるでしょう。

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