展示会商法のクーリングオフや解約~事例と法的対応
あなたのケースはクーリングオフの対象?
紛らわしいケースが散見されます。
展示会商法とは
展示会商法とは、チラシ、電話、ダイレクトメールなどによる広告宣伝、キャッチセールスやアポイントメントセールスの手法などを使って、消費者を展示会場に誘い込み、商品を販売する手法のことを指します。
以下の商品で頻繁に見られます。
特に絵画類では被害例が多く、絵画商法と呼ばれることもあります。
多くの場合、訪問販売に該当します。その場合、クーリングオフの対象となります。
展示会商法の事例
※ポイント明確化のため、実際のご相談や全国の事例を参照しながら独自にまとめたもので、あくまで例です。
モデル募集の広告に釣られて面接にったら、帯を買わされた
新聞の折込広告に「素人モデル募集」というチラシを見つけて興味を持ち、面接を受けに行きました。場所は、ホテルの広間を借り切った和服の展示会場でした。
面接担当者から「モデルになるには着物の購入が必要」と説明され、「ではやめます」と辞退しました。
しかし、男性販売員3人に囲まれ、「着物の生地と小物はプレゼントする。帯と仕立代だけ払えばいい」などとしつこく勧誘されて、なかば強制的に契約させられてしまいました。
招待された旅行の宿泊先に展示即売会場があった
以前取引があった呉服店から、「ご愛顧感謝ツアー」と銘打った旅行の招待を受けました。呉服店の店員からは「旅行先で着物の展示会がありますが、見るだけで購入は勧めませんので」とのことだったので、参加することにしました。
ところが、現地の旅館では無理やり展示会場に連れて行かれ、入口で履き物を取り上げられ、会場内では担当者3人に取り囲まれトイレに行くにも監視の人がピタリと付いてきました。結局、断り切れずに80万円の着物を契約してしまいました。
紛らわしい事例も
展示会商法は多くの場合クーリングオフの対象となりますが、だからといって展示会での契約すべてがクーリングオフできる訳でもありません。たとえば次のふたつの事例は、ダイレクトメールをきっかけとした展示会場での販売です。しかし、一方はクーリングオフの対象となり、もう一方は対象外です。
これはクーリングオフできない事例です。
前に着物を買った呉服店から「お得意様感謝セール」というダイレクトメールが届きました。「期間限定で20~40%オフ」というので、見るだけ見てみようと思い会場に出向きました。会場はデパートの一角に設営された展示即売会場でした。記帳を済ませて中に入ると、販売員が一人ついて、いろいろ説明し始めました。
説明を聞くうち、もうすぐ20歳になる娘にちょうどいいと思い、その場で一着注文しました。
【ポイント】訪問販売に該当するか否か。
展示会での販売すべてがクーリングオフできる訳ではありません。上記の例では、大まかに言うと以下の理由から訪問販売に該当しないと考えられます。
- DMで販売目的が明示されている。
- 割引がその消費者のみを対象にしたものでない(他者と比べ著しく有利な条件が提示されている訳ではない)。
- 消費者の自由意思による購入だと認められる。
これはクーリングオフの対象となる事例です。
前に着物を買った呉服店から「お得意様感謝セール」というダイレクトメールが届きました。「期間限定で20~40%オフ」というので、見るだけ見てみようと思い会場に出向きました。会場はデパートの一角に設営された展示即売会場でした。記帳を済ませて中に入ると、販売員が一人ついて、いろいろ説明し始めました。
気に入ったものがなかったので帰ろうとすると、販売員数人に取り囲まれ、「イチ押しの一着」なる商品をしきりに勧められました。断り続けたのですが、2時間くらい押し問答のようになり、根負けして契約してしまいました。
【ポイント】消費者の自由意思かどうか
前述の「クーリングオフできない事例」と同じく、DMで販売目的が明示されていますし、割引がその消費者のみを対象にしたもの(他者と比べ著しく有利な条件が提示されている)訳もありません。大きく異なるのは、
- 消費者の自由意思による購入とは言えない
という一点です。このような場合は訪問販売に該当すると考えられ、クーリングオフの対象となります。それとは別に、消費者契約法にもとづく契約の取消しも検討できるでしょう(事実証明の困難さを覚悟する必要があります)。
法律上はどうなの?
訪問販売に該当するかどうかが大きなポイントです。一見、展示会商法のように見えても、訪問販売と言えるケースと、そうでないケースがあります。そうなると、結局は「訪問販売って何?」という話になってしまいます。詳しくは訪問販売のページをご参照頂くとして、ここでは、展示会商法と言えるかどうか見分けるための、法律上のポイントだけご紹介します。それは、以下の2点です。
- 販売目的は明示されているか。あるいは他者に比べ著しく有利な条件で契約できる旨表示されていないか。
- 展示会場が、営業所等、店舗に類する場所に該当するか否か
販売目的の不明示や著しく有利な条件の提示
販売目的を明かさなかったり、他者に比べ著しく有利な条件で取引できる旨を明示(「あなただけ50%オフ」など)するなどして、営業所等に消費者を誘い込み、契約に持ち込む手口は、アポイントメントセールスとして知られています。アポイントメントセールスは、訪問販売の一種です。展示会商法も、これに該当するケースは少なくありません。展示会商法で見られる現実の問題
あくまで当職の経験談ですが、業者が「この契約はクーリングオフの対象外」だと強弁するケースがあります。単に業者が呆けているケースもあれば、業者自身が法律を知らず、自分はあくまで真っ当な商売をやっていると言い張るケースもあります。
- この展示会場は、通常の店舗に類する場所であり、訪問販売に該当しない。
- キャッチセールスやアポイントメントセールスの手法は使っていない。
- 展示会場での勧誘も、通常の営業の範囲内。強引なところはなかった。
- だから、クーリングオフは受け付けられない。
法律上は明らかにクーリングオフできる事例だったとしても、業者が応じなければ、厄介なことになります。
ちなみに当職では、すべてのケースで対応可能という訳ではありませんが、●●(業者に対策を採られるのを防ぐため、伏字で申し訳ありません)をうまく活用することによって、たいていは解決できております。
クーリングオフが間に合うなら
クーリングオフの成立可能性を第一に考えます。クーリングオフ期間は、いずれも法定書面(適法な契約書等)の交付日から8日間です。
当職の対応方針は、クーリングオフ期間内の記事に記したとおりです。
クーリングオフが過ぎたなら
法律上はいくつかの制度が設けられています。契約書面の不交付や不備を突いたり、業者の違法な勧誘方法を検討するなどです。
当職では、一定の条件で、ある方法を試しております。詳しくは、クーリングオフ期間過ぎの記事をご覧下さい。
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