結婚相手紹介サービスをクーリングオフ・中途解約するには
約束通り紹介されない!解約料が高すぎる!
貴金属は別契約だから解約できない?
・・・結婚相手紹介サービスをめぐっては、このようなトラブルが非常に多いのが特徴です。クーリングオフ期間内に解決できれば理想的ですが、そういうご相談はむしろ少数です。サービスの性質上、最初の相手を紹介されるまでに時間を要することが多く、「話が違う!」となった頃には、クーリングオフ期間はとっくの昔に過ぎているケースが大多数だからです。
結婚相手紹介サービスの主な手口
結婚相手紹介サービスの勧誘では、必ず理想の相手に会えるかのように喧伝し、条件の合わない相手ばかりを紹介したり、解約すると法外な違約金を請求するなどのトラブルが多いようです。
それと、意外なほど法律を知らない経営者がいるのも、特徴のひとつです。個人営業に近い独立系の業者に顕著な傾向です。本人は真っ当な営業をしていると信じ込んでいるだけに、この頑迷さが消費者にとって障害となるケースがあります。
- 理想のパートナーと必ず出会えるかのような宣伝文句。
- 事前の説明と実際とが全く違う。
- 自分の条件とかけ離れた相手ばかり紹介してくる。
- 貴金属類を別契約で買わされた。
→家庭教師や学習塾のページにある「学習教材トラブル」が参考になると思います。 - 解約料が高すぎる。解約しても返金に応じない。
→「清算金トラブル」が参考になると思います。
結婚相手紹介サービスで見られる典型例
※実際の相談や全国の事例を参照しながら独自にまとめたもので、あくまで例です。
【ケース1】当初の説明と違う
「成婚率業界最高! ご希望のパートナーと必ず出会えます」というチラシに興味を持ち、ホームページから資料を取り寄せました。その後、電話がかかってきて、事務所に来るよう誘われました。
担当者が「豊富な登録データから自由に相手を選べるシステム。2年間で必ずお相手が見つかりますよ」というので、とりあえず3万円を支払い入会し、後日、42万円コースを契約をしました。
ところが、帰って契約書をよく見ると、業者は単に相手を定期的に紹介するのみで、登録者データもほとんど閲覧できず、事前の説明とあまりにも違っていたので、電話で解約を申し出ました。すると担当者は「解約は担当が別なのでわからない。もう一度事務所に来て話しませんか」と言ってきました。解約を思いとどまるよう、説得されるような気がするのですが・・
【ケース2】指輪の解約には応じない
雑誌広告を見て、結婚相手紹介サービスを2年間34万円で契約しました。担当者の説明では、婚約時に必要となるダイヤの指輪を購入することが入会の条件とのことで、相当ためらったのですが、担当者が「将来必ず必要になるものだから」「一生に一度のことだから」というのに背中を押されて、指輪を別途40万円で契約しました。
しかし、業者が紹介するのは自分の条件と合わない人ばかりで、3ヶ月を過ぎたころから紹介も途絶えるようになりました。不満を抱いて解約を申し出ましたが、「サービスの解約には応じるが、指輪は別契約なので解約できない」と言われました。
【ケース3】いろいろ理由をつけて仲介を避ける
雑誌広告に載っていた店舗に自ら出向いて説明を聞き、1年登録20万円のコースを契約した。業者の説明では「お相手の紹介は月2回」「登録者は1万人ほどで、高学歴・高収入の方も大勢いる」とのことで、「女性が見合いを希望すれば男性が断ることはまずない」とも言われた。
しかし、実際にお見合いを申し込んでも「相手に確認中」「相手が忙しくて日程調整中」などの理由で、3ヶ月が経過しても1回も見合いをしていない。
【ケース4】解約料が高すぎる
農業を継いだ長男が良縁に恵まれず、わらにもすがる思いで契約しました。入会金・会費・情報料の総額は、3年間で150万円ほどになります。
1年ほどの間にお見合いを数回しましたが、相手から断られることが多く、思うような相手に出会えません。業者には「農家に抵抗感のない方」といった条件を伝えてあったのですが、お会いする方の多くは農家というだけで困ったようなそぶりを見せていました。
もうあきらめようと、業者に解約したいと電話しました。1年分の50万円は仕方ないにしても残りの100万円は返ってくるのかと思ったら、「自己都合による解約だから」と、解約手数料その他で25万円しか返金されないとの言われました。
【ケース5】解約しても返金してくれない
妻に先立たれた寂しさから、隣町にある結婚相談所に入会した。入会金3万円と成婚料10万円の支払いを求められ、すべて現金一括で支払った。何回かお見合いをして、そのたびに1万円ずつを支払った。しかし思うような相手と出会えず、結局退会した。ところが業者は、成婚料10万円を返金しようとしない。入会金3万円は仕方ないと思うが、どうしたらいいだろうか。
期間内なら速攻クーリングオフ
結婚相手紹介サービスの契約は、契約にいたる経緯がどうあれ、一定の条件(2ヶ月超かつ5万円超)を満たすものならば、クーリングオフが可能です。何度か授業を受けていても、期間中ならクーリングオフできます。受講に必要な商品(関連商品)の購入契約も、合わせてクーリングオフできます。
クーリングオフ期間は、適法な契約書面を受け取った日から8日間です。
この期間中にクーリングオフ通知書を証拠が残る形で発送しましょう。それが、現状では最も確実に契約解除できる方法です。
当職の対応方針は、クーリングオフ期間内の記事に記したとおりです。
関連商品と推奨品
結婚相手紹介サービスの契約をクーリングオフすると関連商品も同時にクーリングオフされます。この規定を逃れるため、業者が「推奨品」と称して契約を勧誘することがあります。
- 関連商品=お見合いに必要な商品→クーリングオフの対象
- 推奨品=必要ではないがお勧めの品→クーリングオフの対象外
仮に結婚相手紹介サービスの契約をクーリングオフされても、「この商品は推奨品だからクーリングオフはできない」と言い逃れるためです。
関連商品は、政令で次の通り指定されています。
- 真珠並びに貴石及び半貴石
- 指輪その他の装身具
関連商品を使ったり開封したりした場合
仮に関連商品を使ってしまったとしても、それが通常の使用にとどまるなら、クーリングオフができます。たとえば装身具を開封して身につけた場合でも、期間内であればクーリングオフできます。以上はあくまで一般論です。クーリングオフの可能性は、個別の事例に応じて判断されることになるでしょう。
期間が過ぎたら中途解約
結婚相手紹介サービスをはじめとする特定継続的役務提供にかかる契約は、クーリングオフ期間を過ぎていても、契約期間内であれば自由に中途解約できます。ただし、消費者側に一定の精算義務が発生します。法が定めている精算額の上限は、簡単に言うと、
提供済みサービスの対価相当額+法定解約料+法定利率です。これはあくまで上限です。
同様に関連商品(受講に必要とされる商品)についても、精算額の上限が定められています。
清算金をめぐるトラブル
中途解約の際、清算金額をめぐってトラブルが発生することが多いようです。清算金トラブルの記事が参考になると思います。
ひどい事例は書面で意思表示 → 解約交渉
社会正義の観点から「これはひどい」と評価されるような場合は、クーリングオフ期間が過ぎたとしても、解約に導く以下の二つの方法を検討してみましょう。
法定書面の不交付・書面不備
法律上は、クーリングオフできることが記載されていないなど、法定書面(多くの場合契約書)に一定の不備がある場合は、事業者が法の求める記載事項を満たした書面を交付するまでは、クーリングオフ期間は進行しない、というルールになっています。クーリングオフの起算日は「法定書面を受領した日から8日間」という規定からも明らかです。
法律にはこのようなことが書いてありますが、現実問題として、どんな些細な不備でもクーリングオフを認めるべきかどうかは、社会正義の観点から裁判官が判断します。裁判官も人間です。一般的傾向としては、その契約を当初から解除しなければ社会正義に反するという事情がある場合に、その根拠付けとして書面不備を使うケースが多いようです。
逆に言うと、適法に成立した契約を、契約書面に些細な不備があったからといってクーリングオフを主張できるかというと、法律上はできますが、裁判実務上は法の規定を悪用したとみなされることがあるようです。
契約取り消しを主張
契約の取り消しとは、要はクーリングオフ同様に契約を当初からなかったことにすることです。クーリングオフと異なるのは、取り消しには一定の要件が必要ということです。その要件とは「業者の嘘の説明(=不実告知)を信じて契約にいたった場合」などに限られています。もし、業者の不実告知を客観的に証明できるならば、この方法を検討すべきです。中途解約は簡便な反面、消費者側に一定の金銭的負担を求めます。
一方、契約の取り消しは金銭的負担をゼロにする代わりに、消費者に一定の立証責任を課す制度だと考えられます。不実告知は多くの場合、口頭で(つまり証拠が残らない形で)行われます。立証には相当の困難が予想されます。を書面で解約の意思表示をしたうえで、多くの場合、事業者と本格的な解約交渉を進めることになるでしょう。クーリングオフ期間が過ぎてしまうと、通知書一通ですんなり解決という訳にはいかないケースが多くなります。
それでも意思表示をすることが第一歩となります。全額返金とはいかないまでも、事業者なりの条件で解約交渉に応じてくれる場合だって、決して少なくありません。逆に意思表示をしなければ、このままズルズルと支払いが続くだけです。
ここで重要なのは、意思表示の中身です。さまざまなケースがありえますので、「こうしたらいい!」と一概には言えません。勧誘方法に大きな問題があり、同じ事業者による同様の被害や相談が、消費者センターに複数寄せられているようなら、裁判を念頭に、できる限りの法的主張をしておいた方が有利なケースだってあります。
法定書面の不備や勧誘行為の違法性その他もろもろの状況を検討しながら、方針を立てることになります。
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