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パソコン教室をクーリングオフ・中途解約するには

経営者が頑迷で、手続きが適法に進まない場合も

中途解約時の清算金をめぐるトラブル多発

パソコン教室でよく見られる手口

パソコン教室は比較的新しい業種だからかどうかは判りませんが、意外なほど法律を知らない経営者がいます。たとえば、適法にクーリングオフすれば、入会金や受講料などの既払金は全額返金されねばなりません。業界の常識です。しかしこのような経営者は、「理由のいかんを問わず返金しない」みたいなことを、平気で主張してくることがあります。

経営者の勝手な思い込みや頑固さが、トラブルの原因となることが多いようです(あくまで当職の経験です)。そんな場合、トラブルを避けるうえで、ちょっとしたコツがあります。●●をうまく活用することです(伏字で申し訳ありません。業者に対抗策を取られるのを避ける措置です)。

まずは、パソコン教室でよく見られる手口やトラブルを、以下にまとめます。

  • 「就職に有利」「業務に必須」など、就業上のメリットを強調する。
  • 授業のレベルが合わない。説明と違う。
  • テキストどおりに授業が進まない。
  • コース修了後に仕事をあっせんするかのような言い回し。
  • 解約を申し出ても、なかなか応じてもらえない。
  • 解約金に納得できない。

※清算金トラブルの記事が参考になると思います。

パソコン教室の勧誘で見られる典型例

※実際の相談や全国の事例を参照しながら独自にまとめたもので、あくまで例です。

【ケース1】入院のため解約を申し出たけれど・・・

3ヶ月ほど前、新聞の折り込み広告を見てパソコン教室へ出向いた。パンフレットだけもらって帰るつもりだったが、強く入学を勧められ、1年間のコース(受講料25万円)を契約した。

ところが3日後に体調が急変し、緊急入院。容態が落ち着いたころ(契約から7日後)に、受講できなくなったので解約したいと、家族を介して業者に伝えた。業者は「後で連絡する」と言ったきり、何の連絡もよこさなかった。

1ヵ月後に退院し、口座を確認すると、1年分の受講料が引き落とされているのに気づいた。びっくりして業者に電話すると「入学手続きが済んでいるので、受講料は当然発生している」「いかなる理由でも解約は一切認められない」と言われた。

【ケース2】転勤で通えなくなったのに・・・

パソコン教室で、パソコンインストラクターの資格取得コースを契約しました。授業料教材費込みで、総額50万円は現金で前払いしました。

コースの半分ほどを受講した頃に転勤が決まってしまい、解約を申し出たのですが、業者からは「転勤先の教室に通えるよう手続きをとるから」と慰留され、受け付けてもらえませんでした。転勤先の教室は、会社からも自宅からも遠くて通い続けるのは困難です。

そう伝えても、業者は会員規約に「利用料は理由の如何を問わず返金しない」と書いてあることを理由に、返金に応じてくれません。

【ケース3】2回しか受講していないのに、返金は半額?

フリーター生活に将来の不安を感じ、正社員としての就職先を探しているときに、たまたまパソコン教室の折込広告に目が留まりました。「就職にゼッタイ有利」「業務に必須の技能」などと書かれてありました。いままでケータイばかりでパソコンは敬遠していたのですが、このままではよくないと思って、説明を聞きに行くことにしました。

教室で「あなたは若いから身につくのも早い」「ワンランク上の就職に役立つ」などと、契約するよう長時間説得されました。僕はパンフレットをもらって帰って、後でじっくり検討するつもりだったのですが、「そんなのん気なことでは企業では通用しないよ」「自分で判断できるようでないと社会では通用しない」などと急かされ、断りきれずに契約してしまいました。ワード・エクセル完全マスターコースで、半年で約30万円でした。

授業を受けてみると、思いのほか難しくてチンプンカンプンだったので、コース変更を要望すると、別途費用が発生すると言われました。では解約すると言うと、料金は半分しか返ってこないらしいです。まだ2回しか授業を受けていないのですが・・・。

期間内なら速攻クーリングオフ

パソコン教室の契約は、契約にいたる経緯がどうあれ、一定の条件(2ヶ月超かつ5万円超)を満たすものならば、クーリングオフが可能です。何度か授業を受けていても、期間中ならクーリングオフできます。受講に必要な商品(関連商品)の購入契約も、合わせてクーリングオフできます。

クーリングオフ期間は、適法な契約書面を受け取った日から8日間です。

この期間中にクーリングオフ通知書を証拠が残る形で発送しましょう。それが、現状では最も確実に契約解除できる方法です。

当職の対応方針は、クーリングオフ期間内の記事に記したとおりです。

関連商品と推奨品

パソコン教室の契約をクーリングオフすると関連商品も同時にクーリングオフされます。この規定を逃れるため、業者が「推奨品」と称して契約を勧誘することがあります。

  • 関連商品=学習に必要な商品→クーリングオフの対象
  • 推奨品=必要ではないがお勧めの品→クーリングオフの対象外

仮にパソコン教室の契約をクーリングオフされても、「この商品は推奨品だからクーリングオフはできない」と言い逃れるためです。

関連商品は、政令で次の通り指定されています。

  1. 電子計算機及びワードプロセッサー並びにこれらの部品及び附属品(パソコンやワープロとその部品や付属品)
  2. 書籍(テキストや参考書などです)
  3. 磁気的方法又は光学的方法により音、映像又はプログラムを記録した物(カセットテープやCD、DVDなどです)

関連商品を使ったり開封したりした場合

仮に関連商品を使ってしまったとしても、それが通常の使用にとどまるなら、クーリングオフができます。たとえばテキストに書き込みをしてしまったとか、ビデオやDVDを開封して視聴した場合でも、期間内であればクーリングオフできます。以上はあくまで一般論です。クーリングオフの可能性は、個別の事例に応じて判断されることになるでしょう。

期間が過ぎたら中途解約

パソコン教室をはじめとする特定継続的役務提供にかかる契約は、クーリングオフ期間を過ぎていても、契約期間内であれば自由に中途解約できます。ただし、消費者側に一定の精算義務が発生します。法が定めている精算額の上限は、簡単に言うと、

提供済みサービスの対価相当額+法定解約料+法定利率

です。これはあくまで上限です。

同様に関連商品(受講に必要とされる商品)についても、精算額の上限が定められています。

清算金をめぐるトラブル

中途解約の際、清算金額をめぐってトラブルが発生することが多いようです。清算金トラブルの記事が参考になると思います。

ひどい事例は書面で意思表示 → 解約交渉

社会正義の観点から「これはひどい」と評価されるような場合は、クーリングオフ期間が過ぎたとしても、解約に導く以下の二つの方法を検討してみましょう。

法定書面の不交付・書面不備

法律上は、クーリングオフできることが記載されていないなど、法定書面(多くの場合契約書)に一定の不備がある場合は、事業者が法の求める記載事項を満たした書面を交付するまでは、クーリングオフ期間は進行しない、というルールになっています。クーリングオフの起算日は「法定書面を受領した日から8日間」という規定からも明らかです。

法律にはこのようなことが書いてありますが、現実問題として、どんな些細な不備でもクーリングオフを認めるべきかどうかは、社会正義の観点から裁判官が判断します。裁判官も人間です。一般的傾向としては、その契約を当初から解除しなければ社会正義に反するという事情がある場合に、その根拠付けとして書面不備を使うケースが多いようです。

逆に言うと、適法に成立した契約を、契約書面に些細な不備があったからといってクーリングオフを主張できるかというと、法律上はできますが、裁判実務上は法の規定を悪用したとみなされることがあるようです。

契約取り消しを主張

契約の取り消しとは、要はクーリングオフ同様に契約を当初からなかったことにすることです。クーリングオフと異なるのは、取り消しには一定の要件が必要ということです。その要件とは「業者の嘘の説明(=不実告知)を信じて契約にいたった場合」などに限られています。もし、業者の不実告知を客観的に証明できるならば、この方法を検討すべきです。中途解約は簡便な反面、消費者側に一定の金銭的負担を求めます。

一方、契約の取り消しは金銭的負担をゼロにする代わりに、消費者に一定の立証責任を課す制度だと考えられます。不実告知は多くの場合、口頭で(つまり証拠が残らない形で)行われます。立証には相当の困難が予想されます。を書面で解約の意思表示をしたうえで、多くの場合、事業者と本格的な解約交渉を進めることになるでしょう。クーリングオフ期間が過ぎてしまうと、通知書一通ですんなり解決という訳にはいかないケースが多くなります。

それでも意思表示をすることが第一歩となります。全額返金とはいかないまでも、事業者なりの条件で解約交渉に応じてくれる場合だって、決して少なくありません。逆に意思表示をしなければ、このままズルズルと支払いが続くだけです。

ここで重要なのは、意思表示の中身です。さまざまなケースがありえますので、「こうしたらいい!」と一概には言えません。勧誘方法に大きな問題があり、同じ事業者による同様の被害や相談が、消費者センターに複数寄せられているようなら、裁判を念頭に、できる限りの法的主張をしておいた方が有利なケースだってあります。

法定書面の不備や勧誘行為の違法性その他もろもろの状況を検討しながら、方針を立てることになります。

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