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クーリングオフの効果

クーリングオフの権利を適法に行使したら、法律上、以下の効果が発生します。つまり、事業者にここまで求めることができます。

契約の解除、申し込みの撤回

その契約は、当初に遡って解除されます。つまり、はじめからなかったことになります。まだ申込みの段階にとどまっている場合は、その申し込みが撤回され、契約は不成立となります。

発信した時点で効力を持つ(発信主義)

クーリングオフの書面は、発信した時点で効力を発します(発信主義といいます)。期間ギリギリで発信した書面が、期間後に事業者に届いたとしても、その書面は有効です。この点は到達主義(届いた時点で効力を発する)を原則とする民法と異なります。熟慮期間をギリギリまで保障するための規定です。

これにより、事業者が書面の受け取りを拒否したとしても、クーリングオフの法的効力は損なわれないことになります。

違約金、損害賠償などの請求不可

事業者は、クーリングオフに伴う損害賠償や違約金の請求ができなくなります。名称を変えて、たとえば「事務手数料」などと称して請求するのもダメです。いかなる名目でも金銭の請求はできないと解されています。

商品が使用されていても、それが通常の使用なら、事業者は代金全額を返還しなければなりません。たとえば布団を数日使用してシミや汚れがついても、クーリングオフを有効に行使したら、事業者は返金を拒否できないし、「汚れたから半額しか返さない」という主張もできません。それを認めてしまうと、クーリングオフの意義を実質的に損なうからです。一方消費者側は、汚れたまま返却すれば足ります(例外もあります)。

引取り費用、返還費用の事業者負担

商品や権利がすでに消費者側に引き渡されている場合は、その引取り費用や返金に要する費用などは、すべて事業者が負担しなければなりません。

返品費用が消費者側の負担だと、高額になった場合にクーリングオフへのためらいが生じたり、事業者が不当に高額な引取り費用の負担を求める特約を設ける恐れがあるなど、クーリングオフを実質的に無意味にする可能性があるからです。

商品使用やサービス利用などの対価等は請求不可

クーリングオフの権利が適法に行使されたら、事業者は、

その商品が使用済みでも、 リゾートホテル宿泊券の権利が行使済みでも、 エステなどのサービスが提供済みでも

その対価その他の金銭または権利の行使により得られた利益に相当する金額を請求できません。

請求できないのは、「対価」「その他の金銭」「商品の使用または権利の行使により得られた利益に相当する金銭」です。「その他の金銭」とは、入会金や預託金などが考えられます。「権利の行使により得られた利益に相当する金額」とは、たとえばゴルフ会員権のメンバー料金とビジター料金の差額などが該当します。

事業者側にあまりに酷な規定のようですが、だからといって対価等の請求を認めてしまうと、やはりクーリングオフの意義を実質的に損なうことになります。契約直後に一方的にサービスを提供し、クーリングオフの余裕を与えないなどの脱法行為も予想されたため、このような規定が必要だというのが、経済産業省の考え方です。

サービスの提供契約に関連する金銭の返還

上記はサービスをすでに利用したり権利を行使した後の話でしたが、そうでなくても契約に関連して申込者等が支払った金銭はすべて返金しなさいという趣旨の規定です。

サービスの提供契約はその性質上、入会金前払い金などの名目で金銭を請求されることがありますが、これらを含めて全額返金すべき旨を念押しした規定です。

原状回復請求権

消費者等の土地や建物その他の工作物の現状に変更が生じた場合は、消費者等は事業者に対し、原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求できます。住居のリフォームや補強工事、換気扇の取付工事などのクーリングオフで威力を発揮する規定です。クーリングオフされたからといって工事途中で放置されても困るし、組んだ足場の撤去費用を請求する事業者もあるので、事業者負担による原状回復を明記したものです。

「請求できる」というのは、消費者等の側の権利という意味ですので、工事前よりは良くなったというような場合は、請求しないという選択も可能です。

消費者等に不利な特約の無効

上記それぞれの定めに反し、消費者等の側に不利なものは無効とされます。たとえば「解約時の原状回復費用はお客様負担となります」といった特約が契約書の中に入っていたら、その特約は無効です。前項通り事業者負担となります。

逆に消費者等に有利な特約は有効です。クーリングオフ期間を法の規定より長く取ったり、政令指定商品でなくてもクーリングオフを認めたりする場合です。

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