クレジット契約の場合
クレジット会社は概してシビアです。
うまく味方に付けるには、ツボがあります。
クレジット契約とは
大雑把に言えば、代金の立替払いの契約です。
たとえば訪問販売の販売員と布団の購入契約を締結し、その支払をクレジットによる分割払いにした場合、購入者、販売業者、クレジット会社の三者間による次の契約関係が存在することになります。
クレジット会社は、加盟している販売業者が1の売買契約を締結すると、購入者が支払うべき代金を販売業者に一括払いして立て替えます。立替払いしたクレジット会社は購入者に対し、定められた方法に従って毎月の割賦金を請求します。
通常このような仕組みになっていますが、いったん購入者が立替金を受け取って販売業者に支払う形態とか、いわゆる提携ローンとか、形態はいろいろあります。
販売業者から見れば、布団を強引に売りつけ、クレジット会社から代金の立替を一括で受け取ってしまえば、あとは購入者とクレジット会社との精算関係が残るだけになります。
利用のしかた次第では購入者にとって便利な仕組みではありますが、販売業者にとっても悪用しやすい仕組みです。
あなたのケースは本当にクレジット契約?
2009年12月の改正割賦販売法施行で、信販会社に対する義務づけや審査が厳しくなりました。たとえば、販売業者の勧誘に違法な点はなかったかを調査する義務が課せられました。
そのせいか、一部の悪質な業者は、クレジット契約を避け、現金一括での取引や、次のような手口を使う者が現れています。
クレジットと思ったら、借金契約だった?
これは実際にあったご相談です。こういうことがありますので、お支払い方法は十分にご確認下さい。
訳が分からぬままインターネットで申込み
さきほど、浄水器の訪問販売が自宅に来た。しぶしぶ契約したが、大金で支払えない。すると販売員は、「インターネットでこのページを見て」と、私にパソコンの操作をさせた。私は訳が分からないまま、指示通りに画面の申込みボタンを押してしまった。契約書は書いていない。クレジット契約だと思うのですが・・・どうなんですか?
申込み画面のアドレスをメールしてもらい、当職が確認したところ、それは「大手消費者金融のカードローン申込み画面」でした。つまり借金です。販売員は、消費者金融から借金させた金銭を、浄水器の代金としてごっそり持って行くつもりだったのでしょう。
クレジット契約は三者契約ですが、上記の例の場合、浄水器の販売会社と消費者金融との契約関係が存在しません。あるのは、消費者と販売業者の売買契約と、消費者と消費者金融の金銭消費貸借(借金)契約だけです。
仮に浄水器をクーリングオフしても、借金契約とは無関係です。放っておけば、借金は残ることになります。
このご相談者様のケースは、幸い発見が早く、迅速対応で事なきを得ましたが、もし浄水器の業者に全額が渡った後だったら、被害の回復は事実上困難だったでしょう。
クレジット契約の場合はどうする?
2,009年12月1日施行の法改正で、手続きが次のように改められました。
【法改正前】販売会社にクーリングオフの書面、クレジット会社に支払停止抗弁書(こういう事情なので、毎月の支払いを停めて下さいと求める書面)を送る。
【法改正後】以下の通り、クーリングオフとその他の場合で分かれる。
クーリングオフの場合
クレジット会社(信販会社)宛に、クーリングオフの通知書を送ります。クーリングオフするのは、割賦販売契約(クレジット契約)です。これにより、商品等の売買契約も同時にクーリングオフされた者と見なされるようになりました。
ですから、販売会社宛には何の書面を送る必要もありません。
その他の解約を主張する場合
中途解約や、違法な勧誘行為を根拠に契約取消しなどを主張する場合は、今まで通り、販売会社に解約の意思を通知する一方、信販会社に支払停止抗弁書を送付します。
その後、中途解約なら清算金の計算、契約取消しなどなら、多くの場合、販売会社との解約交渉が始まります。
クレジット会社対応の注意点
クレジット会社(信販会社)は、概してシビアです。その行動原理を理解するには、2つのキーワードが必要です。「信用」と「法令遵守」です。
※あくまで当職の経験にもとづく論考です。
クレジット会社の行動原理(1)「信用」
クレジット会社は、自らの信用に傷が付くことを嫌います。その程度は、おそらく他の業界より数段上だと思います。「信販=信用販売」を業とする以上、信用が何より重要なのは、論を待たないでしょう。
クレジット会社の行動原理(2)「法令遵守」
「法律を守る」というのは、「信用」とも直接関連してきます。クレジット会社は、とにかく法律や関連法令を遵守しようとします。
ただ、その遵法精神が独特です。
どういうことかというと、法律違反は許さない。しかし自分たちが法律上正しいと判断すれば、どんな社会的弱者に対しても容赦なく請求する。平気で裁判を起こしてくる。これがクレジット会社の「遵法精神」です。
うまく味方に付ければ心強いのですが、敵に回すと怖い存在です。
そんなクレジット会社に対応するうえで、重要なポイントは何か。以上の記述から、おおかたご理解いただけると思います。
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